僕は小さいころ母親に
「人はどうして死ぬの?」
と聞いたことがありました。

なぜそんなことを聞いたのかは自分でも分からない。
母は答えてくれました。
「人間の命にはみんな意味があるのよ。死ぬということはその人の使命が達成されたということなのよ」
そのときには理解など出来るはずはありません。

それからずっと僕はその言葉を忘れていた。

でも二十歳を過ぎたころふとその言葉が蘇ってきた。
その言葉の深さや愛情がやっと分かってきた。
母が植えてくれた言葉の種が僕の心の中で静かに育っていたのです。

子どもから何かを聞かれる。
大人は言う。
「まだお前には分からないだろう」
「もっと大きくなったら教えてあげるよ」
それは違うと僕は思う。

今、分かるか分からないかではない。
今、伝えるか伝えないかなのです。

優しさ、厳しさ、楽しさ、苦しさ。

そんな言葉の種をいっぱい植えてあげることで子どもたちの心は育っていく。

そして父と母の言葉が心に満ちている子供はきっと豊かな人生を送ることが出来るのだと思います。

乙武洋匡著「いまを、生きる」より

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