まずは受け止める
先日のかすがっ子おはなし会の皆様による朝の読み聞かせでは、1年生の教室で絵本「モモ」の読み聞かせをしていただきました。ドイツの作家、ミヒャエル・エンデが書いた原作の「モモ」は長編作品で、5年生の国語の教科書でも作品の一部が取り上げられています。主人公の女の子であるモモが得意なのは相手の話を聞くこと。モモに話を聞いてもらうと、話している相手は、自分がこの世で大切な存在であることがわかってくるのです。相手に質問するわけでもなく、答えるわけでもなく、ただじっとすわって話を聞いているモモの様子を読んでいると、相手を尊重しながら話を聞くとはどういうことなのかを考えさせられます。相手に寄り添いながらうなずくこと、相手の話をまずは受け止めること、話を受け止めてもらえるという安心感が話し手のベースにあること。このことは、子どもも大人も「よく聴き合う」ための手がかりになるように思います。絵本「モモ」は原作を再構成したものだそうですが、1年生の時に読み聞かせをしてもらった絵本「モモ」が、その後の読書生活だけでなく、人とのかかわり方を豊かなものにしていくきっかけになるかもしれませんね。